近年、Z世代と呼ばれる若年層のテレビを見る時間が減少していることが大きく話題になりました。テレビ離れとも言われ、テレビ番組を見るよりもユーチューブやネットフリックスなどの動画サイトやソーシャルメディアを娯楽として楽しんでいる人が多くなってきているとのことですが、そんなテレビはどのようにして発明され、今の形まで進化を遂げたのか、これまでの歴史を振り返ってみましょう。
- 実験・開発
19世紀の1873年、イギリスでテレビジョンの開発が始まり、同じ頃1875年にはアメリカでも開発案が出され、1884年にはドイツで機械式テレビジョンの基本構成部品であるニプコー円板が発明され、そして1896年にはイタリアのGuglielmo Giovanni Maria Marconi(グリエルモ・ジョバンニ・マリア・マルコーニ)が電波を使い距離の離れた地点間でのモールス信号の無線通信実験に成功。その後1897年にドイツのKarl Ferdinand Braun(カール・フェルディナント・ブラウン)がブラウン管の発明に成功するなど、だれか一人が発明者だったのではなく、各国でさまざまな技術が開発されました。
20世紀に入り、1926年に浜松高等工業学校の教諭であった高柳 健次郎が世界で初テレビ映像の表示に成功し、同じころにイギリス、スコットランドのJohn Logie Baird(ジョン・ロジー・ベアード)によって機械式テレビジョンが開発されました。その後ジョンは1928年にカラーテレビの公開実験にも成功し、現代のテレビの原型となるものが完成しました。
- 初めてのテレビ放送
1928年にアメリカのテレビ局WGY(現在のWRGB、チャンネル6)がテレビの実験放送を開始し、続いてイギリスのBBCが翌年に、ドイツの国家放送協会も、それぞれ実験放送を開始しました。続いて1931年にはフランスで、1939年には日本で実験放送が開始し、この頃から世界各国でテレビの白黒放送が徐々に始まりました。
その後、1954年にはアメリカのWNBC局が世界で初のカラーの本放送を始め、日本では1960年に本放送が開始され、現代にも続くテレビのカラー放送の歴史が始まりました。
- おわり
テレビは、外から見える部分では液晶画面、スピーカー、内部には一定の電圧を出力する電圧レギュレータICや基板、蛍光管、などが複雑に内蔵されており、全てが正常に働いて初めてテレビの閲覧が可能になり、そして、長年の各国の発明家、工学者たち、そしてテレビ放送局の努力あっての今の私たちの娯楽があります。そんなことをたまには思い出し、感謝の心を忘れないようにしましょう。テレビの存在はこれからも私たちの生活を楽しいものにし続けてくれるでしょう。
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